今夜もフライデーナイト!みゆさん好きだとしか言ってません

ブログも文章作る練習になるかなって思ったんですよね

140字をいくつかで収められる28分+αではなかった。

 

 

20/02/28 映画ごん観てきました。

正直ウイルスが怖くて行くの迷ったけれど、行って良かったとおもう。良かったです。

 

場所すら調べていない準備の悪さ、みゆさんの声聴きたさ、

小学校の教科書に登場したごんぎつねと

小さい時に観劇したおぼえのある舞台上でのごんぎつねと何が違うのかな

という気持ちの軽さで、フォロワーさんと仲良く劇場に入っていったわけですが

 

ごんぎつねってこんな切ない話だったっけ⁇⁇⁇

 

とあっという間に物語に引き込まれ、

結末を知っているからこそ感じてしまう寂しさに浸ることができました。

 

みゆさん演じる兵十の声に震え上がる何かを感じた。

 

 

 

 

(以下ネタバレ含む)

 

 

 

 

 

ワイが小学校の記憶から引っ張り出してきたごんぎつねは

「兵十のために森から木の実とかをひっそりと持ってきてあげていたごんが兵十に気付かれて撃たれてしまう」

話。(記憶端折りすぎ)

 

 

そんなごんぎつねの記憶甘々なワイ、開幕早々衝撃を受けます。

 

 

(兵十、きつね撃てなかったのね………)

 

 

兵十が父親に「撃て!」と言われ火縄銃の引き金を引く、

父親に「こうしないと(動物を撃たないと)生きられないんだ」(※超ニュアンスでごめんなさい)と言われる。

 

この出だしワンシーンで

引き金を引くのは辛くて思い切りがないと思われる兵十の性格、

兵十の父親が兵十にとってどんな存在であるかがわかります。

 

アフタートークでは

「兵十の父親がこの世界での『世間の常識』」

「父親は兵十に過保護」

と仰ってました。

 

兵十の温厚で殺生を拒む性格と

「父親の言うように大人にならなければ」という想い

ぶつかって、この物語での兵十の表情はいつも浮かないまま。

 

 

もしかしたら父親もこのように教えられてきたのかなぁ…………

なんて想像を巡らせながら

 

畑荒らしのきつねが出てきます。

この時も父親に「撃て!」と言われ

兵十が火縄銃の引き金を引きますが

きつねは逃げていきます。

 

 

「お前、わざと外してるんじゃないだろうな?」

「まさか」

 

 

この迷いの中で浮かない顔をして言う「まさか」が

ほんとにもう………良かった‼︎‼︎‼︎

きっとここに「きつねを逃してあげよう」という

想いはないんですよ……

あるのは自分の中で迷っている兵十の姿で、

 

こうして結末に繋がっていくんだな、と思うと…

 

 

さて可愛いお顔をしたごんが登場します。

人間にはきつねの姿にしか見えないけれど、

ちゃんと可愛いお顔があるのです。

 

悪戯っ子のごん、

兵十がからだの弱いおっかあの為にとった魚を

投げて川に戻してしまいます。

 

ここの川の水の描写の素晴らしさは

アフタートークでも言及がありましたが

このシーンに限らず生き物の活きた表現、

このストップモーションならではの

あたたかさと、丁寧さを感じました

 

いや〜良かったなあ。

 

籠に入った魚の奥にうなぎを

見つけたごん、うなぎに巻かれながらお持ち帰りしようとしたところでやってきますよ兵十さん!

(入野さんのオタクがログインします)

 

 

「こぉぅら、ぬすっとぎつねえぇぇ〜〜〜!!」

 

 

か、かわいい🥺

 

いや命がけのシーンなので暢気なことは言ってられませんが

ここ入野さんの優しくて温かみのある声が響くんですよね……

心に染み渡る……

 

命のかかった場面なのに

うなぎがごんに巻き付いたりと

ころころしていてくすっと笑えるエッセンスがある

演出が面白かった。

 

これも先程と同じことが言えて

この作品の世界観がつくられているな〜、と

思いました。

 

 

「おっかあのうなぎ」という言葉を聞いて

自分のおっかあのことを思い出すごん。

おっかあは人間にやられてしまった。

 

自分のおっかあと兵十のおっかあの姿を

知らないけれども重ねるごん。

そしてうなぎを川にもどします。

 

 

いたずらをした申し訳なさなのか、

兵十のおっかあに届けばいいなと思ったのか、

ごんの想いがあったのでしょう。

 

 

そして場面は移り変わり、葬列を見て

ごんは「兵十のおっかあが死んだ」ことを知ります。

 

「あんないたずら、しなきゃよかった。」

と切り株に座ってうつむくごん。

ぐ………胸が苦しい

 

とんぼや鈴虫がごんに

話しかける演出も素敵でしたね。

「ぼくも おっかあ いない」

「友だちがいるじゃん」……

 

 

再び自分のおっかあと兵十のおっかあの姿を

重ねるごん。なんて優しいのでしょう。

また場面は変わり、

ごんはいわし屋さん(だったっけ)から

こっそりといわしを頂戴して

兵十の家の中に置いていきます。

 

しかしその後ごんが兵十の家の近くにやってくると

兵十と兵十の父親の会話が聞こえてきます。

その内容から「自分が持ってきたいわしのせいで

兵十が痛い目に遭った」ことを悟ったごん。

いたずらをしたかったわけではないのに、、

 

 

兵十のためになにかしてあげたいごん、

森で栗を見つけて

兵十の家に持っていくんですよね

ここ、幼きワイも印象的だった場面です。

 

 

腹の足しになるから…

っていうのはもしかしたら考えていなかったかもしれないですね。

自分と同じで寂しい思いをする兵十の

表情が明るくなりますように、

 

そんな自然の彩りを兵十に贈りたかったのでは

ないかな…と考えます。

 

 

さてさてそんな「贈り物」に気づいた兵十は

見えない贈り主に「贈り物」でお返しします。

栗を置いてくれていた場所に

赤く開いた彼岸花を……

 

 

ここ、兵十が気付く描写はありますが

彼岸花を置く場面は描かれません。

 

これがいい。

 

というのもごんが

(栗どうなったかな…)と

また兵十の家にやってきた時に

置いた栗はなくなっていて

代わりに彼岸花が置いてあるのを

見つける、という描写だったから。

 

兵十の誰かからの贈り物に気付く優しさ、それに

自然の贈り物でお返しする、という優しさが

感じられると共に

ごんがその贈り物のお返事に

気づいた瞬間のうれしさが鮮やかに

スクリーンを通しても伝わってきました。

 

 

うれしくて栗と一緒に木の実を拵えたり…

そしてお返事の彼岸花を見るたび

またうれしくなる……

兵十とのこんなつながりに

わくわくするごん。

 

ある夜兵十と父親に遭遇したごんは

身を潜めて彼らの会話を聞いていますが

兵十が「誰からかわからないが栗が家に置いてある」話をし始めると

歩く兵十の後ろにやってきて

近くをとことこ歩き始めます。

 

 

きっと

 

「自分がいたずらをしたことで

 自分と同じ寂しさを持って生きることになった

 兵十が喜んでくれたら嬉しい」

 

という思いからいつの間にか

 

「兵十ともっとつながっていたい」

「自分に気付いて欲しい」

という思いが生まれていたのではないでしょうか。

 

 

ところが兵十の父親は言います。

それは神様だろう、と。

 

 

ああ〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ここでアフタートークでも言及ありましたが

兵十、ほこらを挟んで、ごん

という構図が描かれます。

 

人間と動物との間には「神様」という存在がある。

人間と動物がつながりを持ったと

兵十と自分がつながりを持ったと

ごんには思われても、兵十や父親には

わからないこと。

 

先述したように

父親が世間を知っている(と思っている)

兵十は、なるほどそういうこともあるのか

となります。

動物がやったことである事にも気付けない。

でもこれも仕方がないこと。

 

 

「神様なんて、いるわけないじゃん。」

 

 

そして、、

 

兵十が亡き母親に話しかけます

ずっと自分の性格と父親が示すような姿と

どうあるべきか思い悩んできたこと

 

これが兵十の中でどれほど大きな決断であったかは

分かりません。

 

 

「俺もな、まあ少し、強くなる。」

 

 

ここに栗と木の実を持ったごんがやってきます

 

(ああ…………………ここか、遂にか)

 

と知っている結末を思い浮かべた私。

きっと劇場内の誰もが思ったでしょう。

 

知っていても辛い………

 

 

家にやってきた盗っ人ぎつねの影に気づいた

兵十は決意と共に火縄銃を手に取ります

 

 

ごんがいつものように

持ってきた栗と木の実を

いつもの場所に置いて

家を出たところで

辛い銃声が、、、、

 

 

 

兵十はきつねを

一発で仕留めることに成功します

きっと先程の決意がなければ

自ら引き金を引くことは無かったでしょう。

きっと束の間の喜びと自信を得たはずです。

 

 

自信を得たんです。

今まで出来なかったことに

成功したのだから当然です

 

 

そこで置いてある栗と木の実に気づきます

 

 

 

そして足元にうずくまるきつねを見て

 

 

 

「ごん、お前だったのか、いつも栗をくれたのは」

 

 

 

そして悲しい事に

きつねはひとつ、大きく

うなずきます。

 

 

兵十とごんが確実につながった瞬間でした

 

 

 

兵十の手から火縄銃が落ちる、

崩れ落ちる、

拳を地面に打ち付ける…………………

 

 

 

 

 

 

入野さん演じる兵十のこのラストシーン、

絞り出した声が辛すぎて

全身に恐怖と震えを覚えました。

 

 

わかっていても……辛い。

 

 

 

 

 

ストップモーションアニメーションというものを

初めて拝見したのですが……

ただただ、凄い、の一言です。

 

ごんのあたたかく切ない、

丁寧な世界観、

引き込まれる。

 

それでいて演者の声が溶け込む、

リアリティのある

自然の世界が作り込まれていて

圧巻でした。

 

 

アフタートークですが

MCの方が解釈を監督になげかけるような

斬新な形で、

映像の専門家の方々によるトーク

聞き応えたっぷりでした。

質疑応答でお客さんからの感想や疑問に

お答えし、お話が広がったのも

質問した立場ではありませんが

貴重な体験でした。

 

 

こんな素敵な作品への出会いをくださった

入野さんにまたまた感謝です。

 

 

 

 

 

そしてこうして初めて長々と書いてみましたが

けっこういいですね!

自分の解釈も整理できますし物語の流れも

思い出すことができますし、、

また書きたいなと思ったらやってみようかと。